なんだか生きづらい、理由はわからないけど自分が悪い気がする、そう思ったことはありますか?
その原因は、罪悪感かも知れません。今回は、罪悪感に悩んでいる方、生きづらい原因がわからない方におすすめしたい『罪悪感がなくなる本』について紹介します。
目次
こんなあなたに読んで欲しい
生きずらいと感じているあなたに、こんな節はありませんか?
- 家族や恋人、友人の機嫌が悪いと、思い当たる節がないのに「自分は悪いのかも」と思ってしまう
- 他人に期待されると、つい「期待に応えよう」としてしまう
- 上手くいかないことがあると「自分が悪いから」だと思う
- 過去の自分の行動に後悔していることがある
- 取り組んでいることに対して「自分のせいで上手くいかないかも」と思う
筆者の根本さん曰く、このような反応は罪悪感が心の中にあるときに起こるものです。
わたし自身、無意識のうちにこんな風に考えて落ち込むことがありました。こんな風に考えて落ち込み、落ち込んでいるとこんな風に考えてしまう、という負の連鎖にあったかもしれません。
わたしが『罪悪感がなくなる本』に出会うまで、自分の人生を生きづらくしていたのは罪悪感だったと気付きさえしませんでした。
この本に出会ったことが、「生きづらさ」から抜け出す第一歩になったのです。
『罪悪感がなくなる本』の著者
『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』根元祐幸著
- 出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2019/6/14)
- 発売日 : 2019/6/14
- 単行本(ソフトカバー) : 262ページ
根元祐幸
(ねもと ひろゆき)
1972年9月6日生まれ。静岡県浜松市出身。
彼は心理カウンセラー、講師、作家と幅広く活躍されています。
2000年、プロカウンセラーとしてデビューして以来、述べ15000本以上のカウンセリングを行っているのだとか。分かりやすさと明晰かつユニークな視点からの分析力、さらには、具体的な問題解決のための提案力には定評があるそうです。
そんな彼が綴るこの本、確かに観察力や分析力が鋭いです。「罪悪感の出所は?」という疑問が、読んでいくうちに自分の過去にあった原因がわかってきます。
また自分とは当てはまらないタイプの人たちの解説も、読んでいると「そんな人も世の中にいたのか〜」と好奇心さえ湧いてきます。
他人への共感力も強くなるかも知れません。
『罪悪感がなくなる本』の魅力
この本を読んで、「そうだったのか!」と膝を打つことがいくつかありました。
罪悪感があることは悪いことじゃない
「罪悪感が自分を苦しめていたんじゃないの?」と言いたくなります。確かにそうなのですが、罪悪感を全てなくすことよりも、共存を目指すことで生きやすくなると筆者は主張しています。
例えば、サッカーが面白いのはゴールキーパー以外が手を使ってはいけないからです。トランプの大富豪が盛り上がるのも、相手の手札を見ることができないからです。どんなゲームでも、制約があるからこそ盛り上がり、勝利したときに喜びを感じます。
同様に、罪悪感があることで人は幸せを感じることができるのです。だから罪悪感を、人生のルールとしてとらえ、上手く付き合っていけばいい。そう筆者は考えています。
この考え方を知って、少し肩の荷が降りた気がしました。「罪悪感」という、わたしの人生を生きづらくしたきた悪者としてとらえるのではなく、そこにあるものとして捉えるなら、わたしにもできるような気がします。
罪悪感をなくし自分を許す方法がわかる
罪悪感をなくすには、罪悪感について知ることが大切です。筆者は大きく分けて7種類あると言っています。例えばわたし自身が感じていた罪悪感の一つに、「タイプ6:親やパートナーから受け継いだ罪悪感」が当てはまりました。このように、どんな種類の罪悪感なのか、自分がなぜ罪悪感を感じていたのかを知ることで罪悪感のなくし方が見えてきます。
その上で、人生を「自分軸」で生きることが罪悪感をなくす方法への一歩です。他人軸で生きるというのは、問題が起こったときに「自分は悪くない、相手が悪い」という考え方です。
自分軸で生きることで、自分が人生の主人公となり、「どうしてこの問題が起きたのか?」と問題に主体的に向き合うことができます。
そして、自分のせいにするのではなく、すべての問題を「50/50」で考えます。問題に向き合ったところで「自分のせいだ」と思ってしまっては罪悪感が生まれてしまうだけです。そうではなく、その問題に自分にも原因があったかもしれませんが、相手にも問題があって今の状況があるのかもしれないと考えるのです。
自分の原因について考えたら、それを課題としてとらえ、今できることをする。これが筆者が紹介する罪悪感をなくす方法の一つです。
カウンセリング体験談で様々な形の罪悪感のなくなり方がわかる
個人的に一番胸が熱くなったのは、筆者がカウンセリングを行った「ゆるし」の事例に関する章です。このページはまるで我がごとのようで、筆者が自分に語りかけてくれているような優しささえ感じ、思わず涙が溢れていました。
特に印象的だったエピソードは、父親の期待に応えられないと自分を責め続けていた、中学教師のお話です。
彼は三人兄弟の長男だったのですが、弟二人とは違い、父親からの愛された記憶がありませんでした。テストで90点をとっても「どうして100点が取れないんだ?」叱られ、100点をとっても「今回はたまたまだろう。甘えるな」と否定され続けました。弟たちは兄よりも成績が悪くても叱られることはなかったのです。
自信喪失になり、「自分の頑張りが足りないから父親に認められないのだ」と思うようになったのです。次第にすべての問題を自分のせいにするようになってしまいました。
中学校で担当するクラスは問題児が多く、加えて未経験にも関わらずサッカー部の顧問を勤めることとなり、疲労困憊していたようです。筆者曰く、初めて会った時の彼はお化けのようでした。
カウンセリングを通して筆者は、彼が父親との関係から本心を言い出すことができなくなっていると気づきました。そこで彼にこのお願いをしました。
「もう、しんどい、がんばりたくない」と声に出して言ってもらえませんか?
不思議なことに、彼は声に出すことができないのです。彼は子供の頃から弱音を吐くことを自分に禁じていました。言おうとしても言えないままセッションが終わりの時間がすぎた時、彼は意を決して言ったのです。
「もう・・・しんどい・・・がんばりたくない」
すると堰を切ったように、彼は泣き始めました。彼はいい人なので、すみませんと言いながらも長い時間泣いていたそうです。
その後カウンセラーとの対話を通して、父親は彼を愛していなかったのではなく、不器用だったのだと気が付きます。
このエピソードは、中学教師の子供時代から始まっていた罪悪感の意識を解きほぐしてくれたお話です。わたし自身の罪悪感とは異なってはいますが、泣き崩れたと同時に安心した彼を想像して、わたしも泣いてしまいました。
それくらいこのエピソードや、筆者の言葉が熱を持って届いたのです。
おわりに
罪悪感が抜けない方、罪悪感に悩んでいる方、そしてなんだか生きづらいと感じている方。『罪悪感がなくなる本』はそんな方におすすめしたい本です。
一度読むだけでなく、自分を責めているな、と気づいた時には何度でも読み直して欲しいです。
ぜひ一度、手にとってみてください。
『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』根元祐幸著
- 出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2019/6/14)
- 発売日 : 2019/6/14
- 単行本(ソフトカバー) : 262ページ
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